小田原城の夜を歩いて、ホテルに戻った。
風が強くて、身体の芯まで冷えていた。
帰り道、コンビニに立ち寄って、
お酒と小さなおつまみを少しだけ買う。
派手な夜じゃないけれど、
こういうのがあると、旅の夜はちょうどいい。
部屋に戻って、
缶を開けて、ひと息。
外の非日常を、室内に持ち帰る感じ。
そのあとシャワールームに入って、
思わず立ち止まった。
なんだか、近未来みたい。
白くて、曲線が多くて、
ライトも均一で、影が少ない。
操作パネルも、水の出方も、
普段の家とはまったく違う。

説明しようとすると難しいけれど、
「入るだけで気分が切り替わる」空間だった。
熱いお湯を浴びると、
夜の風と、城の静けさが、
少しずつ身体から抜けていく。
コンビニで買ったお酒の余韻と、
シャワーの音が重なって、
ようやく「旅の初日が終わる」感じがした。
この日は、
温泉に入る前の、準備みたいな夜。
明日は箱根へ向かうけれど、
今日はここまでで十分。
外を歩いて、
城を見て、
軽く晩酌して、
シャワーを浴びた。
それだけで、
ちゃんと旅の一日だった。
今日も一息、どうぞ。
— siro

