旅が終わると、
いつも少しだけ、胸の奥が静かになる。
楽しかったからこそ、
終わるのが、少し悲しい。
駅に着いた瞬間とか、
家の鍵を開けたときとか、
「もう戻ってきたんだな」って思うあの感じ。
旅のあいだは、
移動して、選んで、迷って、
目の前のことに集中している。
それが終わると、
急に、何も起きない時間が戻ってくる。
その落差が、
たぶん、寂しさになる。
切り替えなきゃ、
次に進まなきゃ、
そう思うこともある。
でも、
無理に元気にならなくていい気がした。
旅が終わったことを、
ちゃんと悲しむ時間も、
必要なんじゃないかなって。
終わるのが悲しい、って思えるのは、
ちゃんと行ってきた証拠。
何も感じないより、
ずっといい。
その寂しさがあるから、
旅は、ただの出来事じゃなくて、
自分の中に残る。
今日は、
何かを振り返るわけでもなく、
次の予定を考えるわけでもなく。
ただ、
「終わったな」って思いながら、
夜を過ごす。
それだけで、十分。
旅の余韻が、
静かに沈んでいく夜。
また動き出すのは、
もう少し先でいい。
今夜は、
この切なさごと、
そっと置いておく。
今日も一息、どうぞ。
— siro

