最終日の朝。
天成園で朝を整えてから、外へ出た。
この日の目的は、箱根神社。
でも、朝から風が強くて、ロープウェイも船も運休していると知った。
予定は崩れたけれど、行けないわけじゃない。
だから、バスで向かうことにした。
バスを降りたのは、元箱根港のあたり。
湖のほうから吹く風が強くて、身体が少し前に押される。
歩いて箱根神社へ向かうと、
木々が高くて、音がやわらかくなっていく。

境内に入ると、不思議と落ち着く。
手を合わせたとき、お願いごとより先に浮かんだのは、
「ここまで来られたな」という感覚だった。
本当は、湖のそばに立つ“あの鳥居”も近くで見たかった。
箱根神社の撮影スポットとして、「平和の鳥居」と呼ばれている場所。
でもこの日は立ち入りが制限されていて、下に降りることはできなかった。
少し残念、と思ったけれど、
遠くからでも鳥居は見えた。

おみくじも引いた。
楽しくて、つい2つ。結果は吉。
派手じゃないけど、悪くない。


つい2つ。旅先だと、なぜか許される。
風が強かったこともあって長居はせず、
最後にお土産を買うために、箱根湯本へ戻った。
駅前はにぎやかで、人の気配があると少し安心する。
そして箱根湯本は、食べ歩きが楽しい。
「最後にちょっとだけ」のつもりが、
気づけば、手にいろいろ増えていく。

旅の終わりにちょうどいい。

香ばしさで、もう一回元気になる。

あたたかい甘さがうれしい。

濃厚で、最後のご褒美みたいだった。

歩きながら食べるのがちょうどいい。
食べ歩きって、観光というより、
「この土地の空気を口に入れる」みたいな感じがする。
風が強い日でも、
あたたかいものや甘いものがあるだけで、
旅はちゃんとやさしくなる。
そのあと小田原へ戻って、
前日は夜だったから、昼の街を少しだけ歩いた。
同じ場所でも、時間が変わると見え方が変わる。
平和の鳥居には近づけなかった。
でも遠くから見えたし、風も強かったし、
だからこそ、ちゃんと「この日の箱根」だった。
完璧じゃない旅のほうが、
あとから思い出すと、体温が残っている。
風の音や参道の空気、平和の鳥居を遠くから見た距離感は、動画のほうが残しやすかったのでYouTubeにまとめています。よかったら、そちらで続きを。
今日も一息、どうぞ。
— siro

